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蒸留水は毎日飲んでも大丈夫?

TL;DR

保健当局は蒸留水を危険な水とは位置づけていませんが、ミネラルはほとんど含まれません。世界保健機関(WHO)の文献は、ミネラルの非常に少ない水に長期間頼ることについて、特に食事が偏っている場合や調理に使う場合の懸念を示しています。大切なのはバランスのよい食事です。赤ちゃんや持病のある方は専門家の指示に従ってください。

蒸留水は、ミネラルをほぼすべて取り除いた清潔な水で、保健当局は蒸留水を飲むことを危険だとはしていません。ただし、正確な答えには二つの側面があります。台湾の衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)は「バランスのよい食事をしていればミネラルは食事から摂れる」としている一方、世界保健機関(WHO)の刊行物は、ミネラルの非常に少ない水はカルシウムやマグネシウムを補わないこと、そして長期的な影響についての証拠がまだ十分でないことを指摘しています。毎日飲むのであれば、ミネラルは食事でしっかり補うことが前提になります。

保健当局は実際に何と言っていますか?

「蒸留水は体に悪い?」という疑問は日本でもよく検索されますが、公的な資料の表現は多くのウェブ記事よりずっと慎重です。各機関の立場を、それぞれの表現に沿って整理します。

  • WHO「飲料水水質ガイドライン」(第4版・第1次および第2次追補を含む):蒸留水や脱ミネラル水のようにミネラル含有量の非常に少ない容器入りの水も飲まれているが、それを長期間飲むことの利益や害について推奨を示せるだけの科学的情報は不十分だとしています。同時に、飲料水はカルシウムやマグネシウムの摂取源の一つになり得て、これらの摂取がぎりぎりの人にとっては重要な場合がある、とも述べています。
  • WHO「Nutrients in Drinking Water(飲料水中の栄養素)」(2005年):チェコ国立公衆衛生研究所のフランチシェク・コジーシェク氏による「脱ミネラル水の飲用による健康リスク」の章を収録しています。この章は、再ミネラル化されていない脱ミネラル水は理想的な飲料水とは考えられず、飲料水には一定の必須ミネラルが最低限含まれるべきだと結論づけています。
  • 台湾・衛生福利部食品薬物管理署(デマ検証ページ、2022年更新):一般の人が純水や逆浸透膜(RO)水を飲んでもミネラル不足にはならず、ミネラルの主な供給源は食事であり、バランスのよい食事をしていれば長期間飲んでもミネラル不足にはならない、としています。

これらの立場は、見かけほど対立していません。いずれも「ミネラルの主な供給源は食事である」という点では一致しています。違いは、ミネラルを含む水が補うわずかな分をどれだけ重く見るか、という点です。そしてその分がもっとも影響するのは、もともとカルシウムやマグネシウムの摂取が少ない人です。

そもそも蒸留水とはどんな水ですか?

蒸留水とは、水を沸騰させて水蒸気にし、別の容器で冷やして再び液体に戻した水です。水に溶けている塩類や金属、大部分の微生物は水蒸気と一緒に移動しないため、沸騰槽に残ります。その結果、溶解固形物がごくわずかな水になり、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、フッ素もほとんど含まれません。

これは単に水を沸かすこととは異なります。煮沸するとほとんどの微生物は死滅しますが、溶けている物質は鍋に残ります。蒸留は、水と溶けている物質を物理的に分ける方法です。特定の汚染物質への効果については「蒸留器でフッ素・鉛・PFASは除去できる?」で詳しく解説しています。

ミネラルの少ない水を長く飲むことには、どんな懸念がありますか?

この問題でもっともよく引用されるのが、WHOの2005年の報告書に収められたコジーシェク氏の章です。読者の皆さまに公平にお伝えするため、その主なポイントを章の論旨に沿ってまとめます。

  • ミネラルを補わない:飲料水はカルシウムやマグネシウムの主な供給源ではありませんが、現代の食生活では不足しがちなこと、水中のミネラルは吸収されやすいイオンの形で存在することから、その寄与にも意味があると章は論じています。
  • 調理による損失:軟らかくミネラルの少ない水で野菜や肉、穀物を調理すると、食品から必須元素が大きく失われ、引用された研究ではマグネシウムとカルシウムで最大約60%に達したと報告されています。硬水で調理した場合の損失はずっと小さいとされます。飲むことよりも、調理への影響のほうが大きい可能性があります。
  • 古い生理学的研究:章では、高度に脱ミネラル化された水がミネラルバランスに影響したとする動物実験やボランティア研究を紹介しています。一方で、その多くは古い研究で、現在の研究方法の基準を満たさないものもあると認めつつ、無視すべきではないと述べています。
  • 再ミネラル化:海水淡化による公共の水道水は通常ミネラルを加えて安定化されますが、家庭での処理でミネラルが取り除かれた水には、通常その工程がありません。

その後のWHO「飲料水水質ガイドライン」は、こうした結論までは踏み込まず、ミネラルの最低濃度を推奨するには証拠が不十分だとしています。公平にまとめれば、これは「害があると証明されたわけでも、ミネラルの少ない水がまったく問題にならないと証明されたわけでもない」、まだ決着のついていない科学的な問いだといえます。

蒸留水を飲むと体からミネラルが奪われますか?

「蒸留水は骨からミネラルを溶かし出す」という説をよく目にしますが、上記の機関はそのような形で問題を説明していません。血液中のミネラル濃度は腎臓やホルモンによって厳密に調整されており、飲んだ水はすぐに食べ物や消化液と混ざります。台湾の食品薬物管理署は、純水やRO水が心血管疾患や骨粗しょう症の原因になるという説を「誤り」と明言しています。

より妥当な懸念はもっと単純です。蒸留水はミネラルを補わないこと、そして調理に使うと食品から摂れるミネラルが減る可能性があることです。どちらも、食事と調理の工夫で対応できます。

では、ミネラルはどこから摂ればよいですか?

主に食事からです。厚生労働省のe-ヘルスネットによれば、マグネシウムは穀類、豆類、種実類、野菜類、藻類などの植物性食品に広く含まれています。乳製品や小魚、緑黄色野菜なども、カルシウムの身近な供給源です。どんな水を飲むにしても、多様な食品をバランスよく食べることがもっとも大切です。

蒸留水を毎日飲む場合は、次のような習慣で上記の懸念に対応できます。

  1. 多様な食事を心がける:カルシウムやマグネシウムを含む食品を日常的に取り入れましょう。食事が足りているか不安な場合は、医師や管理栄養士に相談してください。
  2. 必要に応じてミネラルを加える:食品用のミネラルドロップを加えたり、ミネラルウォーターを少し混ぜたりする方法が一般的です。味わいがよくなると感じる方も多くいます。
  3. 調理用の水を考える:調理による損失の研究を踏まえ、野菜をゆでる、ご飯を炊く、スープをつくるときは水道水やミネラルウォーターを使い、蒸留水は飲用やお茶・コーヒーに使うご家庭もあります。調理用の水にミネラルを加える方法もあります。
  4. 大量に汗をかいたら塩分を補う:どんな水を飲む場合でも、食事や電解質飲料で補いましょう。

まず専門家に相談したほうがよいのはどんな人ですか?

  • 赤ちゃんと乳児用ミルク:どの水を使い、どのように調乳するかは、小児科医、ミルクの説明書き、お住まいの地域の保健当局の指針に従ってください。米国疾病対策センター(CDC)は、蒸留水・精製水・脱イオン水・脱ミネラル水と表示された容器入りの水にはフッ素が含まれないか微量しか含まれないこと、また歯のフッ素症のリスクを下げるために保護者が低フッ素の容器入り水をときどき使って調乳できることを説明しています。正しい選択は地域の指針によって変わる、ということでもあります。
  • 持病のある方や食事制限のある方:水分、ナトリウム、カリウムなどのミネラルについて医師から指示を受けている場合は、その指示に従ってください。
  • 食事が限られている方:カルシウムやマグネシウムの摂取がもともと少ない可能性がある場合、飲料水の寄与に関するWHOの指摘がもっとも関係します。医師や管理栄養士に相談してください。
  • 歯とフッ素:蒸留によってフッ素は大幅に低減されます。フッ素入り歯みがき剤など別の摂取源が必要かどうかは、歯科医に相談してください。

本記事は一般的な情報であり、医学的な助言ではありません。お住まいの国の保健当局に具体的な指針がある場合は、それに従ってください。

蒸留で何が取り除かれ、何が残る可能性がありますか?

米国CDCによると、蒸留は寄生虫、細菌、ウイルスに加え、ヒ素、バリウム、カドミウム、クロム、鉛、硝酸塩、ナトリウム、硫酸塩、カルシウム、マグネシウム、多くの有機化合物など、さまざまな化学物質を取り除きます。一方で、一部の揮発性有機化合物、揮発性溶剤、特定の農薬は除去できず、水蒸気と一緒に運ばれることがあるとしています。そのためMegahomeの蒸留器では、凝縮したばかりの水をボトルに届く前に活性炭ポストフィルターに通しています。また、蒸留水が適切に処理された水道水より自動的に優れているわけではない理由もここにあります。公平な比較は「蒸留水とろ過水の本当の違い」をご覧ください。

自宅でつくった蒸留水を新鮮に保つには?

凝縮器から出たばかりの蒸留水は非常にきれいですが、実際に口にする水の状態は保存とお手入れで決まります。CDCは、使っていない間に蒸留器の冷却コイルで細菌が増えることがあると指摘しており、お手入れは大切です。

  1. 清潔でふたのできるガラス容器または食品用容器に入れ、直射日光を避けて涼しい場所に保管し、数日以内に使い切る。
  2. 収集ボトルを定期的に洗って乾かす。
  3. Megahomeの取扱説明書のとおり、沸騰槽のスケール除去を少なくとも月に1回行う(硬度の高い水ではより頻繁に)。
  4. 取扱説明書のとおり、活性炭パックは25日以内に交換する。味やにおいに違和感があれば、すぐに交換する。

家庭用蒸留器はどんな場面に向いていますか?

卓上型の蒸留器があれば、蒸留水を買わずに自宅でつくれます。MegahomeのMH-943TWSは1回4リットルで、ステンレス製の沸騰槽とガラス製またはPP製の収集ボトルを備えています。MH-943SBSも同じく#304ステンレス製の沸騰槽を採用しています。Megahomeは台湾で蒸留器を設計・製造しており、累計販売台数は100万台を超えると同社は発表しています。蒸留器が合うかどうかは、お住まいの地域の水、食生活、使い方によって決まるもので、健康効果を約束するものではありません。販売店は販売店のご案内からお探しください。

まとめ

  • 保健当局は蒸留水を危険な水とはしておらず、台湾の食品薬物管理署は、バランスのよい食事をしていれば純水やRO水でミネラル不足にはならないとしています。
  • WHO「飲料水水質ガイドライン」は、ミネラルの非常に少ない水を長期間飲むことについて推奨を示すには証拠が不十分としています。WHO刊行物の一章は、再ミネラル化されていないそうした水は理想的ではないと論じています。
  • 蒸留水はカルシウムやマグネシウムをほとんど補わず、ミネラルの少ない水で調理すると食品のミネラルが減る可能性があります。
  • 多様な食事、必要に応じたミネラル添加、調理用の水の工夫で、懸念の多くに対応できます。
  • 赤ちゃん、持病のある方、食事制限のある方は、専門家と地域の保健当局の指針に従ってください。

よくある質問

蒸留水だけを飲んでも大丈夫ですか?

そうしている方も多くいます。その場合は、食事で十分なカルシウムとマグネシウムを摂るよう心がけ、ミネラルドロップやミネラルウォーターの併用も検討してください。食事が限られている方や持病のある方は、医師や管理栄養士に相談してください。

蒸留水は水道水より体によいのですか?

そのように述べている保健当局はありません。地域の基準を満たした水道水は安全に飲むことができ、ミネラルも含まれています。蒸留水は溶解固形物が一貫して少なく、多くの汚染物質が大幅に低減されているため、特に水質に不安がある地域で好まれることがあります。

乳児用ミルクに蒸留水を使えますか?

小児科医、ミルクの説明書き、お住まいの地域の保健当局の指針に従ってください。指針は国によって異なり、また保存した自家製の蒸留水は無菌ではありません。

参考資料

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